『青木ヶ原樹海』と聞くと、多くの方が悪いイメージを抱きます。
なぜでしょう?
メディアなどで面白おかしく、過剰に悪いイメージを洗脳させるが如く情報発信してきました。
実際に樹海に行き、怖い思いをされた方はどのくらいいるのでしょうか?
おそらくどこから入ったかも解らない先入観・固定概念だけで、悪く思っているのではないでしょうか?
私はこれまで幾度となく樹海の散策していますが、まったく怖い思いをしたことがなく、むしろ良いパワーをもらえる場所として捉えています。
皆さんがイメージする樹海は、「マイナスの生命力」を持たれていると思いますが、反対に樹海ほど「生命力」を「知る・見る・感じる」ができる場所はほかにはないです。
樹海の持つ強烈な生きるたくましさを体験すれば、 ご自身の生命力もアップ出来ます。

青木ヶ原樹海の成り立ち

今から1200年ほど前まで青木ヶ原樹海というものはなく、富士山の麓には湖や木々にあふれる自然が広がっていました。

緑豊かな現在の青木ヶ原樹海

西暦864年の貞観噴火(富士山の側火山である長尾山で発生)により、膨大な溶岩を流し、森林地帯を飲み込み焼き尽くし、それでも収まらず富士山の北西にあった広大な湖「セの海」に流れ込みました。「セの海」に溶岩が流れ込んだ結果、現在の精進湖・西湖に別れさせました。(面白いことに湖の標高は900mで同じ。)
溶岩の流れた溶岩地帯が青木ヶ原樹海の始まり。
溶岩地帯は、すべてを焼き尽くされ何もない場所になりました。
冷え固まった溶岩しかない土地に、年月をかけて苔が生えては枯れて生えては枯れて・・・を繰り返し少しの土ができ、その土に草が生えて枯れて・・・を繰り返し少しの土ができ、ようやく木がギリギリ育つことのできる環境ができました
木が芽吹きだした時期は、今から300年ほど前からだといわれています。
現在の青木ヶ原樹海は、冷え固まった溶岩の上に生えた苔から始まり、1200年の年月をかけてできています

青木ヶ原樹海の樹々

溶岩の上に立ち根を張りたくましく生きる樹木

現在の青木ヶ原樹海をパッと想像すると「緑豊かな森」をイメージすることができますが、普通の山や公園に生えている樹とは異なり、過酷な条件で育っています。
公園の樹などは土の中に根を深く張り、豊かな土壌から栄養分や水を得たり、大きくなっても倒れなくなります。
しかし、先に説明した通り青木ヶ原樹海は、溶岩地帯の「少しの土」で形成されています。
木が育つためには水(雨水)が必要可決ですが、樹海の多孔質な溶岩(軽石をイメージ)と薄い土壌しかないので、浸透性が高く雨水を蓄えることができません。では、どうやって水を得ているか?
それは「苔」です。生育に必要な水を地表に保つために「苔」のもつ保水力を頼りに育っています。
(苔は別名「森のゆりかご」と呼ばれています。)

森のゆりかごと呼ばれる樹海の苔


また、青木葉原樹海は地面が溶岩でできているために根を深く張ることができません。
地を這うように根がむき出しで横に伸びており安定しおらず、大きく育つことができない。強風が吹くと自重を支えることができなくて倒れてしまいます。
倒れた樹は、倒れながら「頑張って生きよう」として倒れたまま上へ上え伸びる気もあれば、そのまま朽ちてしまう樹もあります。
ただ、朽ちてしまう樹も単に朽ちるだけではなく、自らを栄養分となり新しい木の芽を芽吹かせます。
これを「倒木更新」といい、青木ヶ原樹海の中ではいたるところで「倒木更新」が見ることができます。

結論

上へ上へと成長していく樹木に感動

青木ヶ原樹海は、栄養素に乏しい環境、水を貯えれない土壌、硬い溶岩など樹木が育つには劣悪な環境にもかかわらず、「頑張って育つ樹々・樹々の成長を支える苔・朽ちてなお新しい命の糧になる」など生命力が溢れ出す場所です。そんな樹海に触れることにより、自身の「生命力」を強めてください。

青木ヶ原樹海 写真ギャラリー

ギャラリー写真:P.O.D’s OVERTURNⓇ提供

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